【TCB jeans、No.2 Jeans 1890】
TCB Jeansの新作、No2 Jeans 1890です。
リネンパッチに片ポケという1890年代の201を参考に作成しています。
今回の生地は最上級といわれるXX DENIMではなくNo.2デニム。
ムラが強くて長いスラブによる縦落ち感があるデニム。
XXデニムを糸から作る時は縦糸7番、緯糸に6番が一般的です。
今回のNo.2デニムは、基本は7番クラスのムラ糸で、糸の中に太い6番っのような箇所もあれば、細い8番のような箇所もあるイメージの生地。
このデニムが作られていたのは1890年代。
TCB JEANSはNo.2という事で綿質や糸の形状も少し雑だったという想定で生地を作りました。
『太めの白耳』
1890年代と言えばXX DENIMがAmoskeagだという認識なので、このvintageの生地がどこの生地かは分かりません。
ただ一つ言える事は年代的に合成インディゴが採用される以前だと思いますので、TCBでも本藍で染色しています。
そして面白いの耳の綾方向。
太い白耳は20年代のモデルでも見た事が有ったのですが、この生地は左右で耳の綾の方向が違います。
なので、片方を右綾。もう片方を左綾という組織に仕上げています。
『Hartshorn Buckle』
1855年ハーツホーン氏によって発明されたバックルを参考に作成されています。
恐らく当時は針金状の物を曲げて作られていたんだと思います。
『小股の縫い方とリベット』
現在の考え方だと小股を縫う時は、着用時に開かない様に、右前身と左前身を合わせる時は重なる様に縫います。
ただ、この年代の頃の小股は重なりが浅く開き気味。
TCBでも重なりをVintage同様にて縫い合わせています。
股リベットの位置に関しては、Vintageは全然補強の意味の無い位置に打たれていますので、小股のステッチの中に打ち、強度を確保しています。
リベットの打ち方も当時の手打ちに寄る打刻痕を2度打ちする事により再現しています。
『左前ポケットのプリント』
Vintageでは正直薄っすらしか読めませんでしたが、Viktorの本などを参考に何が書かれてのかを理解することからしました。
廉価版らしく『THE BEST VALUE』から始まるメッセージで19世紀に既に価格競争という概念が有った事に驚きです。
『折伏せ縫い』
チェーンステッチが開発される前の1本針縫製
『レインボーステッチ』、 2色使いのダブルステッチ。 デザインとして2色使いにした訳では無いと思います。
新品時一緒だった糸がそれぞれ違うペースで退色したか、最初からオレンジ系というアバウトなステッチで縫っていたかだと思います。
でも、後の50年代のアーキュエイトステッチに出てくるレインボーとは理由が全然違います。
50’sのアーキュエイトは2本針ミシンで縫ってたので左右で違う色のステッチを使ってた事が想像出来ます。
ただ、1890年代の仕様は前述の折り伏せを含めて1本針縫製。
ダブルステッチを縫うのに2回縫う必要が有るのですが、もしかしたらホームメイドに近い形だけど、コバ側とダブル側で違う人がチームで縫っていたのか、違う人がそれぞれのミシンで縫ってたから微妙にステッチ色が違うのかと、このステッチからだけでも当時の工場のレイアウトが想像出来て何故糸が違うかは謎が深まるばかりです。
『3Pボタン』
タックボタン最初期の4ピースボタン。 2本足とかS字ワイヤー入りとかより前のボタンをリベットで留めてる仕様です。
打つ前はボタンと真ん中のリベットと足の3ピースになります。
※以上、TCB JeansのHPよりほぼ抜粋。
1890年代のサンプリングで、かなり太くて野暮ったいというイメージがあるかもしれませんが、極端に太すぎずにシュッとした作りです。
ややゆとりがありますが、極端に股上が深すぎず、シルエットも太すぎない絶妙な太さのシルエットになっています。
※MODEL DATE※
・品番:No.2 Jeans 1890 ・コットン100% ・日本製
シルエット
・股上 【浅い←1 2 3 4 5→深い】 ・太もも 【細め←1 2 3 4 5→太め】 ・裾幅【細め←1 2 3 4 5→太め】
※DENIM DATE※
オンス=11.4oz 色落ち=ヴィンテージ系
・染め 【薄め←1 2 3→濃いめ】 ・穿き心地【柔らかめ←1 2 3→硬め】
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